コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)は,ファイル共有Shareを使ってゲームソフトを
アップロードし,すでに刑事罰の確定している案件に対して,ゲームメーカーから2011年
4月18日付けで損害賠償請求が送られたことを明らかにした。
著作権法違反の取り締まりでは,検挙されると,まず刑事罰での訴訟が行われ,刑が確定すると
民事での訴訟が行われる。刑事での罰金や懲役(種別によって異なるが10年以下の懲役もしくは
1000万円以下の罰金など)とは別に,著作権者に対しての損害賠償が必要となるわけだ。
これはある意味普通の流れなのだが,今回,ことさらに発表が行われたのは,これまでは
民事責任の追及までは行っていなかったということらしい。ファイル共有ソフトの使用者数などは
減少傾向にあるものの,刑事罰だけでは抑制効果が薄いと見たメーカーが損害賠償請求に
踏み切ったということのようだ。
今回損害賠償が行われたのが,どの案件かは不明だが,2010年度に発生したShareを使った
ゲームソフト違法配信では,任天堂やコーエーテクモゲームスなどが被害を受けた事件があり,
2009年度では「ドラゴンクエストIX」などを含む3社16タイトルのニンテンドーDSソフトを
無断配信していた事件などがあったほか,何度か一斉取り締まりが行われており,
ゲームソフト配信もいくつか検挙されている。
不特定多数への配信とはいっても,配信数などは把握されているようで,例えば2009年の
ニンテンドーDSソフトの事件では,市場価格で1157万5600円相当のダウンロードが行われて
いたことが明らかになっており,損害賠償額も(この件について賠償請求ならば)それなりの
額になるものと思われる。
最近ではファイル共有ソフトShare以外にもBitTorrent,MEGAUPLOADなどを使った事案での
検挙も行われており,違法配信に対する取り締まりは厳しさを増している。くれぐれも
違法配信に手を出さないようにしよう。
4Gamer.net
http://www.4gamer.net/games/000/G000000/20110418041/
ACCS
http://www2.accsjp.or.jp/activities/2011/news12.php