●世界を相手にできていない日本のゲームソフト
なぜ、日本のプラットフォーマーが、日本のソフトメーカーをこうも冷遇するのか?
その理由は、海外市場での日本製ゲームの存在感の薄さにある。
E3を主催する、米エンターテインメント・ソフトウェア協会(ESA)の調べによれ
ば、2010年度の北米市場向けのゲーム売り上げトップ20のうち、日本メーカー製は8
本。多いように見えるが、そのうち7本は任天堂で、それ以外としては、スクウェア
・エニックスの1本だけ。唯一気を吐く任天堂の威光すら弱まっている。このままいくと、
11年度も似た結果に終わりそうだ。
10年度における、世界のゲーム市場規模は4 兆2878億円。そのうち大半は北米
(1兆5550億円)と欧州(1兆3780億円)であり、日本市場向けは7310億円
でしかない(エンターブレイン調べ)。こうなった理由は二つ考えられる。
一つは、ゲームの内容が市場の要求に合っていないこと。欧米では、リアルな戦争を
描いた、俗に「ファーストパーソンシューティング」と呼ばれるタイプのゲームがヒット
するが、日本でのヒットはアニメやマンガに近い世界観を描くロールプレイング・ゲーム
などで、主人公の描き方ひとつとっても大きく異なる。任天堂のように一般家庭市場に
向けたソフトを作るところは影響が少ないが、そうでないメーカーの影響は大きい。欧米
に合わせると日本でヒットせず、日本に合わせると欧米でヒットしない。
http://www.asahi.com/digital/mediareport/TKY201108050148.html