任天堂は26日、裸眼で3D(3次元)画像を楽しめる携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」を発売した。
発売直後に品切れとなる家電量販店が続出し、滑り出しは上々だった。
ただ、ゲームもできる高機能携帯電話(スマートフォン)などとの競争も激しい。3DSが新たなブームを
巻き起こせるかどうかは、日本のゲーム産業の将来を左右しそうだ。
「奥行きや臨場感のある画像に引かれた」
26日朝、東京・千代田区のビックカメラ有楽町店本館で3DSを買った都内の男性会社員(43)は魅力を語った。
3DSの特徴は、眼鏡なしで臨場感のある3D画像を世界で初めて携帯ゲーム機で実現したことだ。
利用者同士の情報交換などができる通信機能も拡充した。初回出荷は40万台で、各店舗の初日分は
売り切ったとみられる。発売後1か月で、23本のゲームソフトを集中投入し、一気に3Dゲーム市場を拡大する戦略だ。
ゲーム情報誌を発行するエンターブレインの浜村弘一社長は「盛り上がりは(2004年の)DSの発売時以上」と話す。
ただ、世界で1億4000万台以上を販売した前作のような大ヒット商品になるかどうか、現段階では見通せない。
最大の脅威は、米アップルのiPhone(アイフォーン)などのスマートフォンだ。アップルのサイトからのゲーム配信数は
8万点を超え、平均価格は数百円程度と、3DSのソフト(5000~6000円程度)の10分の1以下だ。
ライバルのソニー・コンピュータエンタテインメントも、携帯型ゲーム機プレイステーション・ポータブルの後継機「NGP」
(仮称)を年末に発売するため、競争はさらに激化する。
また、3DSの売り物である3D画像は、幼児の目に負担となる恐れがある。このため、任天堂は6歳以下の子供は
3D表示を使わないように求めている。
任天堂の10年4~12月期連結決算の税引き後利益は、競争の激化などで3年連続の減益となった。
業界全体でも、10年の家庭用ゲーム機・ソフトの国内販売額は、4936億円と、07年より約3割も減っている。
3DSの発売が、ゲーム業界全体の活性化につながるかどうかが注目される。
ソース 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110227-OYT1T00414.htm?from=main4